2008年4月6日日曜日

藪の中~アユリテアトルの舞台~

今日は、三軒茶屋の世田谷パブリックシアターの小劇場シアタートラムに行ってきました。

藪の中~Distruthted(ゆがみ)~
(原作:芥川龍之介)
http://www.ahuritheatre.com/jp/spectacles.html
アユリテアトルという6人の芸術劇団の公演です。

劇の約90分の間は、
日本語、英語、フランス語、スウェーデン語が飛び交います。
鳥や藪の音も、声で表現し、その音と静寂、間の取り方にゾクゾクしました。
ことばは少なく、動作だけでもなく、
感情や意識の状態=ステイトを操って、
観客を舞台に、そして、ストーリーに、そして、一人一人の登場人物の心の中に、
引き込んでいきます。

殺人の罪で追われる悪党の、
陵辱された女の、
殺された夫の、
それぞれの狂気と感情の揺れが舞台に投影され、
息を呑む瞬間の連続。


シンプルな舞台だからこそ、
その心や世界観の違いが舞台全体に広がり、
劇場は一体感で包まれていました。

おもしろかったです。

抑制された嫌味のない身体表現に、
きっと、身体や声をよくトレーニングしているんだろうなぁということが
うかがい知れました。
素直に、すごい役者さんたちだなぁ、さすが、と思いました。

そして、内容からは、
誤解から狂気に変わっていく紙一重の瞬間がありえること、
自分自身の捉え方で、世界は悲劇にも喜劇にもなりうること。
そんなことを考えました。

見終わって、ドキドキして、
いいもの、おもしろいものをみれてよかったなぁーと
ちょっと興奮してました。

大人のための作品、これからも続けて発表していってほしいです。

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